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2009年10月28日 (水)

「小学五年生」「小学六年生」休刊と逆に急成長の企業

小学館の学習雑誌「小学五年生」「小学六年生」を休刊すると発表しましたよね。

 http://www.asahi.com/culture/update/1026/TKY200910260317.html

ちょっと衝撃でした。


なんと言っても、この小学○年生シリーズは、
そもそも「小学五年生」「小学六年生」からスタートしていて
好調だったので、以後に1年から6年まで揃えたシリーズもの。


他にも「科学と学習」とかベネッセの『進研ゼミ小学講座』があるけど
私らの世代には何と言っても忘れ難い存在です。


一度、掴んだ顧客を毎年リピートして積み上げていく方式は
マーケティング的には基本で、そのお手本見たいなビジネスモデル。


1973年に「五年生」が約63万部、「六年生」が約46万部あったらしいが
今では、その10分の1という悲惨な結果であり、休刊も納得である。

それを発行部数で見ると分かりやすい。

       2006年  2007年  2008年 
小学一年生 31.8万部→29.9万部→25.5万部
小学二年生 23.0万部→20.9万部→16.7万部
小学三年生 15.1万部→15.8万部→12.1万部
小学四年生 9.5万部→10.4万部→ 9.1万部
小学五年生 6.2万部→ 6.7万部→ 6.3万部
小学六年生 5.2万部→ 4.7万部→ 5.0万部

日本雑誌協会のデータによる各誌ごとの発行部数

この発行部数の推移を見て分かる通り
毎年、学年が上がる度に発行部数が減っています。

つまり小学5年生まで読んでいるのに、
小学6年生になる頃には読まなくなる人がいる
ということです。


これを増減比にしてみると

        2006年     2007年  2008年 
小学一年生 31.8万部( - )→29.9万部( - )→25.5万部( - )
小学二年生 23.0万部(72%)→20.9万部(70%)→16.7万部(65%)
小学三年生 15.1万部(66%)→15.8万部(76%)→12.1万部(72%)
小学四年生 9.5万部(63%)→10.4万部(66%)→ 9.1万部(75%)
小学五年生 6.2万部(65%)→ 6.7万部(64%)→ 6.3万部(69%)
小学六年生 5.2万部(84%)→ 4.7万部(70%)→ 5.0万部(79%)

毎年7割前後で減っていることが分かりますよね。


毎年20%くらいの顧客が自然減するとマーケティングでは言われます。
例えば、引っ越してしまうとか、亡くなってしまうとかの理由で。

ただ、このビジネスの場合は引っ越しても大丈夫だし
亡くなる率も低い年代なので、読むこと自体を止めているんでしょう。


でも、もっとも大きな問題は分母が減っていること。


つまり小学1年生を読む始める人数が毎年減っていているのが
最大の原因ですよね。そう、少子化です。

子供向けのビジネスは少子化の影響を受けそうですね。
特にアナログ媒体は新しいビジネスを始めないと厳しそうです。

と結論づけるのは簡単なんですが、
ところが伸びていることろは伸びている。


ライバルだったベネッセの通信講座「進研ゼミ」の会員数は
2009年4月時点で404万人と増え続けている。

さらに「進研ゼミ」小・中・高校講座の月当たり顧客単価も
増え続けている。


詳しくは2009年の決算資料を
 http://www.benesse-hd.co.jp/ja/ir/doc/latest/fy2009.pdf
ご覧下さい。

まずは赤ちゃんから獲得するために
「たまごくらぶ」「ひよこくらぶ」を発行し
テレビでは「しまじろう」やCSなどでアニメ番組を持ち
小さいころからベネッセの教材の認知度が高い。


ここからの積み上げですよね。

生涯教育をうたったベネッセの戦略勝ちってことですね。

ベネッセの前身は福武書店。
元々は生徒手帳を作っていた会社です。


それが僅か50数年で以下のような巨大企業に。


≪教育≫
『進研ゼミ』・『こどもちゃれんじ』在籍数396万人(対象生徒数の約20%)
『進研模試』など指導教材など、取引高校数4969校(全国高校数の約94%)

≪語学≫
全国73の国と地域で展開、全557拠点(世界最大規模)

≪介護≫
介護付き高齢者向けホーム数129拠点(国内最大規模)
売上利益37,130百万円は業界随一

≪出版≫
妊娠育児雑誌『たまごクラブ』等発行部数51万部

引用
 http://rikunabi2010.yahoo.co.jp/bin/KDBG00100.cgi?KOKYAKU_ID=0180582027


恐るべしですね。


戦略は大事っす。


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